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2007年ももうすぐ終わろうとしています。今年も経済・社会で様々な出来事がありました。そこで今回から3回にわたって、2007年の日本経済・社会を振り返ってみたいと思います。第1回目の今回は、日本のマクロ経済の総括をしてみたいと思います。2007年の日本経済は、順調だったのは3月までで、それ以降はやや勢いに翳りが見え始めてきているように思えます。そのあたりの状況を、データを追ってお話してみたいと思います。 1)今年の経済成長率は昨年を下回る可能性大 少なくとも今年の初めまでは、日本経済は緩やかながら景気回復が持続しているという認識で正しかったと思います。今回の景気回復は足掛け5年以上にわたって続き、その期間の長さは戦後最長の好景気であった「いざなぎ景気」を超えました。 ただし、今年の後半からはその雲行きが怪しくなり始めたように思えます。日本経済の心もとなさは、GDP(国内総生産)のデータにもくっきりと表れています。 2007年4〜6月期のGDPは前期(1〜3月期)と比べて0.5ポイントのマイナスとなりました。7〜9月期のGDPは前期比プラスを回復したものの、12月7日に発表された2次速報値は当初より下方修正されました。10〜12月期についても劇的に回復する要素に乏しいことを考えると、おそらく今年の経済成長率(GDP伸び率)は昨年の2.4%を下回るのはほぼ間違いないでしょう。2%台を確保できるかどうかも怪しい状況であると言っても過言ではありません。 (資料1:四半期別の実質経済成長率) ・2006年7〜9月期 ▲0.1 ・2006年10〜12月期 1.3 ・2007年1〜3月期 0.8 ・2007年4〜6月期 ▲0.5 ・2007年7〜9月期 0.4(下方修正後の数値。修正前は0.6) ▲はマイナスを示す 出所:内閣府「四半期別GDP速報」 2)力強さを失った民間需要 政府関係者はしばしば「今日の景気回復は内需と外需のバランスの取れた景気回復だ」などと自画自賛します。確かに昨年までは企業の設備投資を中心とする内需と、中国・アメリカ向けの輸出が景気回復をけん引し、内需と外需のバランスは取れていました。しかし、政府関係者の自画自賛も昨年限りのようで、今年は「輸出主導の成長」であるとハッキリ断言できます。なぜなら、2007年に入り国内需要は力強さを欠いているのは明らかだからです。 2007年に入り、ただでさえ伸び悩んでいた民間最終消費支出の成長率はさらに低下しています。辛うじてプラスを維持している状況です。企業の設備投資にも陰りが見えます。私たち消費者や企業の経済行動は昨年とは違うようです。 それ以上に落ち込みが激しいのが民間住宅投資です。これは新築の戸建てやマンションなどの建設を指すのですが、住宅建設が大幅に落ち込んでいるのです。国土交通省によると、今年7月以降の新設住宅着工戸数(全国)は前年同月比で2割以上の大幅な落ち込みが続いています。これは今年6月20日に施行された建築確認の審査厳格化を柱とする「改正建築基準法」と大いに関係があります。審査作業の停滞に加えて国土交通省の周知が遅れたことも手伝って、不動産関係にとどまらず住宅設備メーカーや損害保険会社に至るまで、多方面の業種に悪い影響が出る「官製不況」としての側面があります。 (資料2:四半期別の成長率:需要項目別) 国内需要 民間最終消費 民間企業設備 民間住宅 ・2006年7〜9月期 ▲0.5 ▲0.9 0.4 0.9 ・2006年10〜12月期 1.1 1.2 1.9 1.9 ・2007年1〜3月期 0.5 0.6 ▲0.4 ▲1.6 ・2007年4〜6月期 ▲0.5 0.2 ▲1.7 ▲3.8 ・2007年7〜9月期 ▲0.1 0.3 1.1 ▲7.9 ▲はマイナスを示す 出所:内閣府「四半期別GDP速報」 (資料3:全国の新設住宅着工戸数の前年同月比) ・2007年7月 ▲23.4% ・2007年8月 ▲43.3% ・2007年9月 ▲44.0% ・2007年10月 ▲35.0% ▲はマイナスを示す 出所:国土交通省 私たちの多くは「史上最長期間の景気回復」を実感できないでいました。2007年も私たちは景気回復の恩恵にあずかることができなかったばかりか、その景気自体が弱含みになり始めています。その間、かつては世界3位を誇っていた国民1人当たり名目GDP(国内総生産)は、06年の暦年ベースで世界18位まで低下しました。今年の日本経済は、先行きに暗い影を落とし始めた状況にあるといえます。 (参考資料) 国土交通省「新設住宅着工戸数」 内閣府「四半期別GDP速報」 |
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