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2006年も今日で終わりです。 このブログをご覧の皆さんにとって、2006年はどんな一年だったでしょうか。 私個人的には、残念ながら実り多い一年にすることはできませんでした。 ただ、この一年間を通してブログの記事を作るという作業をしたせいか、例年以上に経済や社会の動きに対してアンテナを伸ばした一年であったように思います。 そこで今日は、この一年で取り上げたネタの中から、今年を象徴するネタを3点ほど取り上げてみたいと思います。 1)クローズアップされた格差拡大―問われる「再チャレンジ」の中身 今年は、格差拡大社会というものにスポットライトが当てられた年でもありました。 このブログでも、何度も格差拡大、とりわけ若年層のフリーターやニートの問題やワーキング・プア(働く貧困層)の問題を中心とした「底辺」の問題を取り上げ、考察してきました。 貧困層が増大しつつある背景としては、景気低迷の長期化、終身雇用の崩壊をはじめとする経済構造の変化、規制緩和、セーフティネットの不備、雇用政策の失敗、政府や企業の無策など、実に様々な要因が複雑に絡み合っています。 そして何よりも問題なのが、貧困層に転落すると、そこから脱出するための「機会の平等」が今の日本社会には乏しいということです。例えば、所得による教育機会の格差、貧弱な職業訓練、狭い転職市場…今の日本の経済社会には、こうした貧困からの脱出を阻害する要因が至るところに転がっています。 本来であれば、そういった人たちにも再起の機会を保障するのが、安倍首相の言うところの「再チャレンジ可能な社会」な筈ですが…。少なくとも来年度の政府予算からは、その具体策は殆ど見えてきません。市場原理主義者はしばしば「景気が回復すれば貧しい者にも所得が分配される」などと主張しますが、そのような話は都合のよい「妄想」に過ぎません。今後は、真の「再チャレンジ」に向けた施策が求められます。 2)自治体が破綻する―明日はわが身かも… 自治体の財政が破綻する―2006年はそれが現実になった年でもありました。 6月に北海道夕張市が財政再建団体への移行を表明しました。夕張市の財政が、事実上の破綻を迎えたのです。自治体が財政再建団体に転落するのは、1992年の福岡県赤池町(当時)以来、14年ぶりです。 財政再建団体へ転落した自治体は、国の監督下で財政再建をすることになります。財政再建の途上では、増税や施設利用料の引き上げといった市民の負担増だけではなく、厳しい歳出の削減が求められ市民へのサービス水準の低下は避けられません。 夕張市に関しても例外ではなく、市民税や保育料などが引き上げられるほか、小学校など施設の閉鎖・統合を計画するといった動きが出ています。他にも、職員のリストラや給与カット、希望退職の募集に応募者が相次ぐなど、夕張市を巡る情勢は厳しさを増す一方です。 これらのことは、決して「対岸の火事」ではなく、私たちの住んでいる自治体でも起こる可能性があることなのです。自治体の財政破綻から身を守るために、少なくとも広報やホームページ等で公表されている財政状況くらいは目を通し、監視の目を光らせる必要があるでしょう。特に、財政状況の厳しい自治体に住んでいる人は要注意です。 もはや「行政のしていることやから関係ない」という理屈は通らないということを、私たちは認識しなければいけないのです。 3)加速する少子化―日本の社会保障は持続可能なのか? 2005年の合計特殊出生率は1.26(6月発表の速報値より上方修正)と、またしても過去最低を更新しました。今年は出生数が対前年比で増加基調となってはいるものの、少子化の進展を一服させるだけに過ぎないという見方が一般的です。 少子化を加速させる要因となっているものにも、様々なものがあります。仕事と育児との両立が難しい職場環境など日本の社会システムに関する問題や、出産や育児費用の問題など経済的な側面もあります。 いずれにせよ、このままでは早晩に超高齢社会へ突入することになり、特に社会保障制度の持続を困難にします。少子化を食い止めるには「待ったなし」の状況になりつつあるのです。 今年は少子化対策として、出産一時金の増額や児童手当の拡充などの予算措置が講じられました。ですが、いずれも少子化対策の決定打にはなりにくいものばかりです。なぜなら、少子化の要因は金銭面ばかりではないからです。出産一時金が5万円増えることが出産増加につながるとはとても思えません。 少子化の加速を止めるには、私たちが安心して子供を生み、育てることができる環境作りが欠かせません。それには、若年層に対する安定的な雇用の確保ももちろん必要になりますし、今のような「使えない育児休業制度」や「待機児童2万人」などはもってのほかです。 そうしたトータルな視点からの対策の拡充が求められているのです。 さて、今年も当ブログへのアクセスありがとうございました。 来年も頑張ってなるべく多くの記事を作りたいと思いますので、変わらぬご愛顧をよろしくお願いいたします。 では、どうか皆さん良いお年をお過ごしください。 |
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「財政」のテーマ検索でここに行き着きました。「少子化問題」や「小さな政府」など、TORI様が書かれたブログを非常に興味深く読ませていただいております。 |
TSAITOH 2007/01/01 05:50 |
地方自治についても、「三位一体改革」を経て転機を迎えています。税源は移譲された、地方交付税も引き続き支払われる。地方の独自財源が増える中、自治体は自らの知恵と経験によって、自律した政策運営を行えるのかということが問われていると思います。そして、その規律を確保するためには、仰るとおり住民の厳しいチェックが必要だと思いますが、今の日本にそれが求められるかどうかという懸念がありますし、役人が果たして満足な統計を公表するかどうか…。ちなみにフランスでも地方分権が進んでおり、自治体へ権限と財源が少しずつ移譲されていますが、一方で地方会計検査院という国の機関が地方の政策に常にチェックの目を光らせており、それが財政赤字の抑止効果になっているとか…。日本にはそういう制度があるのでしょうか?地方担当というと総務省ということになりますが、全ての自治体をチェックするなんて到底できないと思いますし…どうなんでしょうか。(続く) |
TSAITOH 2007/01/01 05:53 |
格差の問題についても、仰るとおり自由主義的な思想だけに任せるのはいかがなものかと思います。家計が企業から景気回復の恩恵を授かるためには、ヨーロッパみたいに被雇用者の権利が相当強くなければ難しい。しかも今は「株主重視」なんて言われていますから、金持ちと貧乏人の差はますます開いていくかもしれませんね。ただ、「再チャレンジ」については、安倍総理が特段口をすっぱくして言わずとも、個人的には雇用政策を中心にきめ細かい政策が結構進んでいると思うんですよね。だから若年者失業率も依然に比べれば低くなっていると思いますし。むしろ、ニートの問題もそうですが、今後は国だけではなく、それを構成する家庭や地域など身近な存在の役割が重要になるんじゃないでしょうか。 |
TSAITOH 2007/01/01 05:55 |
TSAITOHさん、有益なコメントありがとうございました。特にフランスの制度と比較をされている部分については勉強になります。 |
TORI 2007/01/02 01:14 |
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