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help リーダーに追加 RSS 社会保険事務所の「年金不正免除」のからくり

<<   作成日時 : 2006/05/25 17:20   >>

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社会保険庁が、またやってくれました。今度は申請がないのに年金保険料を免除する「年金の不正免除」問題が発覚しました。
当ブログでも1月に「年金記録のぞき見で大量処分」「年金保険料収入でマッサージチェア導入」といったネタで社会保険庁をこき下ろしたばかりなのですが…(詳細はhttp://tori-s.at.webry.info/200601/article_19.htmlをご覧ください)。よくもまぁ、懲りもせずにこき下ろすネタを提供してくれたものだと呆れて眺めています。
さっそくその体たらくをこき下ろす…といきたいところですが、今日はなぜ「不正」が行われたのか、その背景を考えてみたいと思います。

1)保険料「不正免除」のからくり
今回の年金保険料「不正免除」問題は、社会保険庁が掲げる「保険料納付率アップ」に端を発していると考えられます。一部報道によると、社会保険庁は2007(平成19)年度に保険料納付率80%まで引き上げる目標を立てているといいます。2004(平成16)年度の納付率は63.6%であることを考えると、この目標はかなり困難な目標であるといえます。
そのため、社会保険庁が「納付率アップ」への強いプレッシャーをかけ、現場が納付率をつりあげるために「不正免除」を行ったものと考えられています。
では、そもそもなぜ年金を免除すると納付率が上昇するのでしょうか?
年金納付率は(納付月数÷納付対象月数)という式で算出されています。言い換えると、実際に保険料を納付した月数を、保険料を納付すべき月数で割った式になっています。
保険料が免除されると、保険料を納める必要がないため、保険料を納付すべき月数である「納付対象月数」が減少することになります。
つまり、「不正免除」は納付月数という分子を増やすのではなく、納付対象月数という分母を減らすことによって納付率アップを図った格好になるのです。

2)「免除」拡大の跡は社会保険庁の公表データにも…
この「からくり」の結果、平成17年度中(2005年4月から翌2月まで)の納付率は66.7%と、前年より3%ほど高まっています。
社会保険庁は納付率の上昇を「納付月数(分子)の実質増加」と「納付対象月数(分母)の減少」を要因に挙げています。
「納付対象月数の減少」の内訳を見てみると、被保険者の減少は全体の15%に過ぎず、「免除・学生納付特例の増加によるもの」が35%、「若年者納付猶予制度によるもの」が30%、「免除月数の遡及効果等によるもの」が20%となっています。やはり、免除関係の増加によって納付率の分母にあたる「納付対象月数」が押し下げられているのが分かります。
さらに、「納付月数の実質増加」を納付率上昇の要因として上げていますが、それにも「からくり」が潜んでいます。実は、分数の分子に相当する「納付月数」も前年同期より2.5%減少しているのです。しかし、それ以上に「納付対象月数」が減少(前年同期6.7%減)しているのです。分数の分子の減少率より分母の減少率が大きいために、全体として納付率が上昇している、という算段なのです。
これらのデータは、社会保険庁自らが公表しているデータに基づいたものです。
ですから、社会保険庁のデータからも、「免除」が納付率を押し上げている構図がはっきりと浮かび上がるのです。

3)年金不信を払拭できない社会保険庁の責任は重い
では、多くの職員を「不正」に駆り立てた背景は何なのか?
それは、社会保険庁自身に年金納付率アップの秘策がないにもかかわらず、現場に「納付率アップ」のプレッシャーをかけた「反作用」にあると考えられます。
なぜ年金を納めないかといえば、経済的な事由で保険料納付が困難であったり、年金制度そのものへの不信があります。
このような問題に対して有効な解決策を打ち出せないのに、年金保険料の納付率を2割近く引き上げるのは、どう転んでも無理があります。
それで「年金納付率向上」という政策が今回のような「不正」を助長する方向に働いたのだと考えられます。
このような事情が推測できるとはいえ、「不正」は「不正」です。非難されるべきことです。ただし、これだけ大規模な「不正」が厚生労働大臣が言うように職員の「独りよがりな」判断で行われたと考えるのは不自然です。公務員は業務命令に基づいて動くことを考えると、「組織ぐるみ」の不正であると考えるのが自然な成り行きです。
厚生労働大臣は関係職員の処分を検討しているようですが、むしろ責任を取るべきは社会保険庁そのものではないでしょうか。社会保険庁のホームページを見ても、今回の「不正」に関する記述は一言も盛り込まれていません(2006年5月25日現在)。まさか現場(社会保険事務所)が勝手にやったことで自分たちには関係ないとでも思っているのでしょうか?
今回の「不正」では、こうした社会保険庁の姿勢が最も問われていると思います。

(参考資料)
社会保険庁ホームページ「国民年金保険料の納付率について」(http://www.sia.go.jp/infom/press/houdou/2006/h060509.pdf
社会保険庁ホームページ「平成16年度の納付状況」(http://www.sia.go.jp/infom/tokei/noufu2004/noufu02.htm

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 以前、とうこさんの依頼で国民年金のことを調べるため、社会保険庁のホームページを ...続きを見る
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